ハネムーン アゲイン

-28年ぶりのニュージーランド-


■ 自称 「倹約家」 の衝動買い

 私の職場の女性上司が、かつて新婚旅行でニュージーランド南島へ行った際に、一番楽しみにしていたミルフォードサウンド観光当日に夫が体調を崩してホテルで看病していたという。30年経った今でも恨んでいると冗談でおっしゃるので、私はこう返した。

「定年後に二人で行かれたらいいじゃないですか。いや、定年後と言わず、元気なうちに休暇を取って行ったらいかがですか?」

 などと他人に言っているうちに、なんだか自分が行きたくなった。実は、偶然にも私たち夫婦の28年前の新婚旅行も同じニュージーランド南島で、ミルフォードサウンドに行けなかった(元々行程に入っていなかった)ことを心残りに思っている点まで共通していた。そうだ、いつか雅恵と二人でニュージーランド南島を再訪し、今度こそミルフォードサウンドへ行こう。

 そんな折りも折り、仕事で遅く帰って夕食を食べながら新聞を読んでいると、JTBのニュージーランドツアーの広告が目にとまった。南島7日間で1人26万8千円。相場よりかなり安い。そして何より、ミルフォードサウンドが行程に入っていた。

私 「これ、見た?」

雅恵「見たわよ」

そうか、やっぱり見ていたか。

私 「安いよね」

雅恵「安いわね」

私 「行こっか」

雅恵「ええっー! ホントに? 行こう、行こ行こ行こう。絶対よ、絶対に行こうね」

 たった、これだけで決まった。安いといっても2人で53万円余。他にもあれこれで膨れ上がることは目に見えている。スーパーで晩げのおがずを買うにも、見切り品で安くなっていないとなかなか買えない超倹約家の私(単に「ケチ」とも言う)が、こんな高額の出費を、こんなに簡単に決めてしまっていいのだろうか。でも、もう決めてしまった。 

 

■ 28年ぶりのニュージーランド南島へ

ニュージーランド概念図(Google マップ より)
ニュージーランド概念図(Google マップ より)

 そんなこんなで、新婚旅行以来28年ぶりのニュージーランド南島へ。クライストチャーチを出発し、途中マウントクックに立ち寄り、クイーンズタウンを基点としてミルフォードサウンドまで足を伸ばす。ミルフォードサウンドを除けば28年前と同じ行程、季節も同じ12月中旬。あのとき私は28歳で、あれからちょうど28年‥。

 そこには深い感慨はあったとしても、大した意味も周到な計画も何もない。職場での雑談に端を発しての単なる思いつきで、夢にさえ見なかった旅が、いきなり現実になった。

 28年前はレンタカーだったので好きな場所で自由に停めて写真を撮ったりしたが、今度は観光バスのため思うようには撮れなかった。そういえば28年前は撮影した4本のフィルムのうち1本を紛失するという泣きたくなる失敗を犯したが、今回は肝心のミルフォードサウンドの途中でデジカメのバッテリーが切れるという、ありえない失態を演じた。28年経っても成長していないねえ。

 という訳で、以下はフォトギャラリー。写真をクリックすると拡大し、コメントが付けてある。

 

2016年12月18日(日)

■ クライストチャーチからアオラキ/マウントクックへ

 前日の午前中に中部国際空港を発ち、シンガポール経由・機中泊で、この日午前中にニュージーランド南島最大の都市クライストチャーチに着く。市内観光の後、午後からはこの日の宿泊地であるアオラキ/マウントクックへと向かう。

2016年12月19日(月)

■ アオラキ/マウントクックにて

 アオラキ/マウントクックは年間の半分近くが雨とのことで、前夜は念願の星空ウォッチングは果たせず。この日も朝方こそ青空が少しのぞいていたが、すぐに雨となった。それでもせっかくなので、午前10時半の出発までの間、一番人気というフッカーバレーへのウォーキングトラックを歩く。

■ アオラキ/マウントクックからクイーンズタウンへ

 午前10時半にアオラキ/マウントクックを後にして、一路次の目的地クイーンズタウンへ。

2016年12月20日(火)

■ ミルフォードサウンドへ

 クイーンズタウンを朝早く出発し、この旅のクライマックスであるミルフォードサウンドへ。クイーンズタウンとミルフォードサウンド間は直線距離では100kmほどだが、道がU字に迂回しているため片道300km近い。山あり谷ありの国道をバスは高速でぶっとばす。

2016年12月21日(水)

■ クイーンズタウンから一路クライストチャーチへ

 実質的な最終日。クイーンズタウンからクライストチャーチまでの600km近い道のりを、バスはひたすらひた走る。

2016年12月22日(木)

■ シンガポールにて

 シンガポールの飛行機の乗り継ぎ時間に街へ繰り出し、マーライオン公園周辺で夜景を楽しむ。

■ 旅の終わりに

 旅の終わりに、マーライオン公園にて。私の顔が赤いのは、日本の7倍とも言われるニュージーランドの強い紫外線で焼けたせい(本当はただの酔っ払い)。

マーライオン公園にて。
マーライオン公園にて。

(完)