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Spindasis masaeae の発見


■ 新種発見と命名の経緯

Spindasis masaeae 標本写真
Spindasis masaeae(マサエキマダラルリツバメ)左:ホロタイプ裏面 右:パラタイプ表面

 1995年3月、私自身9年ぶり2回目となるタイ北部チェン・マイ郊外のドイ・ステップにおいて、見慣れないSpindasis属の蝶2頭を採集。帰国後、図鑑を調べても類似の種は掲載されておらず、特異な斑紋に「もしや新種では?」の疑念をいだきます。しかしながら、採集した場所があまりに有名な採集地であったため「まさか」の思いに打ち消され、しばらくの間放置してしまいます。

 5年後、TSU・I・SO主筆のチョータロー氏に標本写真を送って同定を依頼したところ、しばらくして長田志朗氏(故人)から「新種と思われる」旨の返信が届きます。

 有頂天になった私は、このことをすぐに近しい友人に報告したところ、関康夫氏と親交があるので記載してもらうよう頼んであげるという話になります。関氏とは東京で直接お会いし、記載について快諾をいただきした。本来であれば命名については関氏に一任すべきところを、私のたっての願いということで妻の名「雅恵」を採用してくださったのは、私にとっては何よりでした。

 一連の経緯の中で、私の軽率な行動により、チョータロー氏と長田氏には心ならずもご迷惑をおかけしてしまいました。

 

 なお、新種発見と命名の経緯の詳細については、当時「愛知の国保」にエッセイを寄せています。

 チェン・マイの奇跡 -新種発見に思う-

 

■ 種名について

学名 Spindasis masaeae

和名 マサエキマダラルリツバメ

 “Spindasis” Spindasis属(キマダラルリツバメ属)の属名で “masaeae” が種名です。学名はラテン語であり、人名を用いる場合、男性は語尾に “ i ” が、女性は “e” が付きますが、“masae” の場合はもともと語尾に “e” があるため “ae” が付きます。

(例)Deudorix elioti Pratapa tyotaroi Papilio chikae Potanthus ayakoae 

 

■ データ

原記載:関 康夫 Butterflies №25 P23(2000年)

採集地:ドイ・ステップ(チェン・マイ郊外、標高1,000m) タイ北部

採集日:1995年3月21日

ホロタイプ ♂(関所蔵)

パラタイプ1♂(大岡所蔵)

 

■ タイ国内での再発見

 新種が発見された1995年以降、長い間再発見が待望されていましたが、2013年7月になってタイのサイトに本種の生態写真が掲載されていることに気付きました。タイ語のため、いつどこで誰が再発見したのか一切不明ですが、写真は紛れもない本種です。

 また、サイトによれば “Masae's Silverline” なる英名も付されています。Spindasis属全般に共通の裏面の鉛色細条からのネーミングのようですが、いずれにしても、すてきな名前をつけていただいて雅恵本人ともども大変喜んでいます。

吸水中のSpindasis masaeae
吸水中のSpindasis masaeae
Spindasis masaeae
Spindasis masaeae 上の写真とは別個体と思われます。

 これらの写真が掲載されていたサイトはその後閉鎖されたもようですが、替わって上記のURLから、同じ管理者によると思われる別のサイトがご覧いただけます。