「未来な会社のつくり方」

 中日新聞の社会面に、見出しの記事の連載が始まったのが、この4月7日から。何となく目立たないので見逃してしまいそうだが、中日新聞社会部「渾身の長期連載」とのことで、楽しみに毎朝欠かさず読んでいる。

 「年間休日140日」「残業ゼロ」などのユニークな経営で知られる岐阜県輪之内町の「未来工業」創業者で、昨年夏、82歳で亡くなった山田昭男氏の人生を長期連載でたどるという。

 5-6年ほど前、仕事で「子育て支援企業」の担当をしていたときに、山田昭男氏の講演を聴く機会があった。「昭和」の臭いをプンプンさせ、田舎の中小企業の社長丸出しというか、ただの田舎のじいさんといった風情で、「未来工業」という社名はウケ狙いのジョークかと思わせるほどの、社名とのギャップを感じた。と同時に、時代に逆行するともいえる型破りな経営を貫き、一方で同社を電設資材のトップメーカーにまで育て上げた山田昭男氏の信念は、経済優先、利益優先で競争原理ばかりが幅を利かせるこの社会にあって、聴く者をぐいぐい引き込む力があった。

 講演を一緒に聴いていた某T自動車の課長さんは、

「いったい何だあれは! 今どきあり得ん。あんなの講師に呼んじゃあいかん!」

と、たいそうご立腹の様子だったが、世界的大企業の課長さんを心底怒らせるほどの、今どきの企業のあり方、社会のあり方そのものへの強烈なアンチテーゼがそこにはあった。

 

 斬新な発想や新しい手法で成功した経営者たちのサクセスストーリーが、最近のメディアでもてはやされている。しかし、それがどんなに示唆に富んだ感動的なものであろうとも、それらはみな競争社会を勝ち抜いた一部の成功者の物語だ。

「日本一社員が幸せな会社」

そう呼ばれる会社をつくりあげた山田昭男氏の、そこに至るまでの人生をたどる企画は、きっとそれらとは大きく一線を画するものであろうと期待している。

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コメント: 1
  • #1

    福田克則 (金曜日, 12 6月 2015 10:35)

    すばらしいコメントですね。41回に出ております。